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【DITAがもたらす3つの効果】

管理工数が減る? そのしくみとは? 

前回は、DITAがもたらすコスト削減効果について説明してきた。
さて今回は、NECマネジメントパートナーが誇るDITAスペシャリストにご登場いただこう。具体的な管理工数削減効果から初期導入コスト、現場作業者の負荷軽減にいたるまで、DITA運用の現実に迫る。

管理工数の悩みはここにあった

マーケットコミュニケーション事業部 マーケティング部 主任 川崎 亜美マーケットコミュニケーション事業部
マーケティング部
主任 川崎 亜美

【川崎】
森下さんはここ数年、当社のDITA推進チームでNECグループ内外に向けたDITA導入支援をされてきていますね。
今日は、DITAについていろいろと突っ込んだ質問をさせていただくつもりです。

というのも、実は今、上司から管理工数を減らせと命令されて悩んでいるお客様がいらっしゃって、DITAが有効であればお勧めしてみようと思っているんです。
というわけで単刀直入にお聞きします。よく「DITAでコスト削減」といわれていますが、管理工数も削減できるものなのですか?

開発支援サービス事業部 テクニカルコミュニケーション部 主任 森下 昌彦開発支援サービス事業部
テクニカルコミュニケーション部
主任 森下 昌彦

【森下】
いきなり管理工数の削減ですか(笑)?
管理工数といってもいろいろあると思うんですが、具体的にどういうところで問題になっているのでしょうか?

【川崎】
ある製品のドキュメント管理についてです。お客様によって内製、外注とケースが異なりますが、今回のケースは内製のケースです。執筆者が何人にも分かれていて最後のとりまとめにやたら工数がかかってしまう、とお聞きしています。

執筆者によって書く観点、表現、レイアウトのしかたがそれぞれ違い、最後に一箇所に集めたものを誰かが統一しなければいけない。そこに工数をとられるのがけっこう響くと伺っています。

【森下】
そういったケースであれば、DITAを利用することで管理工数をぐっと減らすことができます。理由を説明する前に、まずDITAの構造を簡単に説明しますね。

DITAは、マニュアルの中に書かれている情報をルールに従って細かい部品に分け、それを組み上げてドキュメントを構成するという考えに基づいています。
ちょっと話は変わりますが、量産品は同じ部品を同じ工程で組み上げることで、同じ品質のものを大量に生産しています。なんとなく、これに似ているような気もします。

同様に、さきほどおっしゃったような分散執筆の場合は、いろんな部門、いろんな担当者が同じ水準で部品を作れるようにDITAを利用してルール化しておくと、「最後に誰かが苦労すること」がほぼなくなります。

【川崎】
テンプレートみたいなものでしょうか?

【森下】
そう考えてもらってもいいと思います。いろんな情報を、すべてあるテンプレートに従ってたくさん作っていき、最後にそれを組み合わせて一つのドキュメントを作るということです。
これの何がいいかといいますと、情報が均一化されていくんですよ。
それによって品質のばらつきが抑えられる。

管理工数というよりはむしろ中身の話なんですが、最後に中身まで含めた調整を誰かが一生懸命やらなければいけなかった、その部分を前工程で抑えていけるので、最終工程での負荷が減っていくということです。

【川崎】
テンプレートを使用したマニュアル制作であれば、Wordでも同じようなことができると思うのですが。

【森下】
たしかに多くのマニュアル制作ではWordが使われていますね。ただ、Word文書はご存じのとおり、書式を自由に変えられるんですね。ですから、たとえば「こういうふうに書きましょう」というルールを作ったとしても、執筆者が意図している/していないにかかわらず、そのルールを逸脱することが簡単にできてしまうんですよ。

一方DITAでは、「その情報が示すものは何か」という観点で情報の種別とその内容を書き、書式については何も書きません。書式は情報の種別によってあらかじめ決められていて、何もしなくても見た目がそのままストンと揃ってしまうんですね。

だから最後に、「あ、ここ見た目が違うから直さなきゃ」というようなことにはならないんです。これは、「自動組版」という仕組みを利用したメリットで、DITAで得られる大きなメリットのひとつです。

【川崎】
なるほど、DITAだと執筆者はルールに従って書けばよいし、書式は自動組版で決まっているから、あとで誰かが取りまとめる必要そのものがない。
それは管理者にとってはありがたいですね。

変数が心の負担も軽減?

【森下】
あと、もう一つおもしろい機能があります。「変数」というのを聞いたことありますか?
文字を入れる箱のようなものです。文書の方では空の箱としておき、この空箱の中に入れる文字を別ファイルで決めることができるんです。

たとえば製品のスペックなどの数値的な情報を、数値そのものを入れずに変数にしておくとします。
そうすると、A、B、2つのドキュメントで同じ数値を使うことができますし、さらに同時に数値を修正することもできるんです。これは、DITAでいう再利用の一部です。

【川崎】
ということは、仕様書に記載されているスペック情報を、カタログやマニュアルにもそのまま使えてチェックも不要、ということになりますか?

実は私は以前、あるハードウェアのドキュメント制作ディレクションをしていたことがあるんです。
そのときは仕様一覧、いわゆるスペック表という、数値ばかりを載せたページを紙とWeb、カタログとマニュアルなどと合わせて更新することがとても大変でした。スペック表の数値の間違いはエンドユーザの信頼を失う致命的なミスなので、作業する方はそうとう神経をすり減らしているんですよ。

でもそれがDITAならば、仕様書の数値を直せば、オートマチックに同じ変数を使っているマニュアルの数値も更新される、そういうことですか?

【森下】
はい、そのとおりです。チェックという意味では、校正が必要な箇所とそうでない箇所が明確になりますから、そのへんの負担は減っていきますね。

【川崎】
うっ、それはドキュメントを作る側の人間としては非常に気を遣うところなので、もしそんなことが可能になると……、工数が削減されるのはもちろんですけど、気持ちが楽になるという効果の方が大きいかも。
私の中ではそっちの方が響きました(笑)。

【森下】
川崎さんも苦労されていたんですね……。
とはいえ、仕様書と一般ユーザ向けの製品マニュアルとでは対象読者や記載内容も異なるので、そういったドキュメント間での再利用率は低くなります。

ですが、同じユーザ向けマニュアル間であれば、もっと再利用できる部分が増えます。
たとえば、5製品同時に開発、それぞれマニュアルを作成、マニュアルの60%は同じ内容だったとします。Wordや他のDTPソフトで作るとなると、通常は5製品分全部のデータが必要になってきますよね。
それで、各製品共通の部分を変更しなければならなくなったとすると、当然すべてのマニュアルを同じ様に修正しなければならないですが、DITAだと1か所の修正ですむんです。

そのしかけは、DITAでは、「マップ」と呼ばれるマニュアルの設計図(目次みたいなもの)をマニュアルごとに用意し、このマップが「トピック」と呼ぶ部品を組み上げてマニュアルを作ります。同じ内容は共通のトピックとしておき、各マップがそのトピックを使うように設計すれば、一つのトピックを直すだけで全部のマニュアルがいっぺんに直ってしまいます。

これを我々は「トピックレベルの再利用」と呼んでいるんですが、こういった再利用をどんどん増やしていくことによって、重複する作業を圧縮することができるんですよ。

【川崎】
マップというものでルールを規程した設計図をおこして、トピックといわれる部品を作っていき、そのトピックがマップによって制御されている、それがDITAのしくみなんですね。

【森下】
そうです。製品間で共通する情報をなるべく一つのトピックで使うようにするとか、あとはさきほどお話しした数値情報を変数化して一箇所で管理する、としていくと、今まであちこちで同じことをしていたのがどんどん圧縮されていって、それが効率化につながっていく。当然、かかる工数が減ってくるので費用も抑えられる。

【川崎】
それはとても魅力的なお話ですね。でも、マップとかトピックとか耳慣れない言葉が多くて、DITAの習得はけっこうハードルが高そうなイメージがあるんですが。

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